ぶどうの“”について
 
 当園の栽培しているぶどうには、種無しの品種と種ありの品種、そして種ありの品種を無種子化(種無し処理)している品種があります。処理を行っているにもかかわらず種子が入るのは別の問題です。
種無し品種 種あり品種
無種子化処理 種あり栽培
サニールージュ
甲斐美嶺 など
ベリーA
ピオーネ など
藤稔
ハニービーナス など
 
 まずは、種ありで栽培している”ハニービーナス”と”藤稔”ですが、なぜ種ありで栽培しているかと言うと、”ハニービーナス”は植物成長調整剤(以下ジベレリン)を使用して種無し処理をしても種無しになりにくく、種ありの粒と種無しの粒が混在してしまいます。種があると粒が大きくなりますので、種ありと種無しの粒で大きさが極端に違って、見た目が非常に悪くなります。また、本来20度を超える高糖度が特徴なのですがジベレリン処理を行うと味が薄くなり、糖度が下がってしまいます。“ハニービーナス”の特徴を最大限引き出す為に種あり栽培をしています。


 次は、藤稔”ですが、ジベレリン処理を2回行うと味が薄くなる、粒に亀裂が入りやすい等の障害が起こりやすい品種です。種が無くなると水っぽい味になり本来の”藤稔”の味ではない気がするので、種ありにして味を濃くするようにしています。粒の亀裂も選果の際に見落としやすいだけでなく輸送中に裂けるなどの事故が起こりやすいので、種無しを目的にしたジベレリン処理を行っていません。

 また、非常に脱粒しやすい品種で、ジベレリン処理をすると軸が硬くなるので輸送時の衝撃で脱粒するなどの事故が起こりやすいんです。
(脱粒しても商品の品質に代わりはありません)
 そのため、当園では、意図的に種ありで栽培し軸を柔らかいままに、輸送時の衝撃による脱粒を少しでも緩和しようとしています。

 以上のことから、この2品種は“食べやすさ”ではなくにこだわって作っています。

 ※文中に出てくる“藤稔”は現在当園では栽培しておりません。


 “ベリーA”と“ニューベリーA”の違いを、ご存じですか?

 “ベリーA”と“ニューベリーA”の違いは、種の有無です。“ニュー”が付くと種無しを意味します。
 “ニュー”と名前につくからには2回のジベレリン処理を行っての種無しが基本なのですが、ここ数年種が抜けない房が多くなっています。
 “ベリーA”以外の品種を種無しにするには、ぶどうの花が完全に咲いてからのジベレリン処理がほとんどで、処理のタイミングがわかりやすいんです。しかも元から種無しになりやすいものが多いので簡単に種無しにできるんです。一方、”ベリーA”は種無しにするために次の条件が必要とされています。

 ◆ぶどうの花の開花10から14日前に処理をする。
 ◆第1回処理後、72時間以内に相対湿度80%以上累積時間が8時間以上あること。


 近年は、春先からの高温による生育時期の前倒しや、少雨による乾燥、などによりベリーAを完全に種無しにするのが難しい気象条件となってきています。

 開花前のジベレリン処理ですので、葉の枚数やぶどうの花のバラケ具合、蕾の長さの測定による開花までの日数の予測や無種子化処理の適期を拡大する薬剤の混用など農家の努力でできることは、ほとんどやっています。

 しかし、連日の高温により処理後の湿度80%以上の確保は、ほとんど不可能です。湿度を上げるためジベレリン処理後にスプリンクラーを回し散水しますが、すぐに大気で湿度は下がってしまいます。

 お客様から「種がある」とお叱りになるのもごもっともですが、決して手を抜いて適当に作業をしている訳ではないんです。それだけは、分かっていただきたいと思います。

 当園としても、「種無しがいい」と言われるお客様に対しましては、サニールージュを始めとしたほぼ100%無種子化の品種を、お客様にご提案させていただいております。
 また、これからも随時、新しい品種への更新をしていこうと考えています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m
 
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